2011年03月31日(木)12:55
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Land of Plenty ★★★ Wendersの映画は、まじめな意図は分かるのだけど、どうしても好きになれない。なぜなのだろう。今回も9/11以降のアメリカの問題点を叔父と姪の関係を通して描いていて、そのまじめさは分かるのだが。思うに、同じまじめさでもBergmanのような個人の視点が欠落していて、国という概念が先行しているからかもしれない。
A Short Film about Killing ★★★★ Krzysztof Kieslowski この映画には二つの殺人が描かれている。一つは青年によるタクシー運転手の殺害、もう一つは社会システムによって行われる青年の処刑。青年が犯行を犯してから逮捕されるまでの経緯が一切描かれず、いきなり判決の場面になってしまうのは、そうした監督の意図を表している。 ポーランドのDVDで字幕がロシア語しかないというものをamazon.comで買ってしまったため、台詞は一切分からなかったけれど、まあだいたい理解できたと思っている。 ともかく、殺される側からすれば、一方は予期せぬものであり、他方は予期され、じりじりとした時間の末に行われる殺人ということになる。そのあたり、映画全体は2分されていて、前半は運転手殺害に至るまでの経緯が殺害者側の視点でじっくりと描かれ、後半は死刑執行に至るまでの経緯がやはり殺害者側である官権サイドの視点でじっくりと描かれている。 ともあれ、声高に死刑反対と言わない所は良いと思うし、そうした考え方を押しつけたり、感情に訴えたりしないところも良いと思う。 撮影技法としては、いささか荒削りではあるが、それがこの作品にとってはプラスに働いているようにも思える。また部分フィルターをかけて、人物像以外を暗くした撮影法も、ちょっと見にくいところはあるが、まあそれなりに、という感じがした。 まだThree Colors Trilogyが到着していないが、こちらはアメリカ製なので英語字幕はあるだろう(^_^;)
Dirty Harry ★★★ Magnum Force ★★★★ The Enforcer ★★★ Sudden Impact ★★★ The Dead Pool ★★ ダーティハリーシリーズのBD。こういうのは気楽に見られて、その意味ではいい。
SAW The Final Chapter Unrated ★★★★ まあ、めったやたらに殺してくれる。そのあたりはまあ面白いが。
Des Hommes et Des Dieux ★★★ テーマは重そうで、演出も重そうだけど、何かいまひとつ感じない。
Battle: Los Angeles ★★ 地球大戦争。しかしなぜ海から押し寄せてくるのか。しかも撮影がゆれて見にくい。
Trolosa ★★★ どうもLiv Ullmanには監督の才能はなかったようだ。もう少しひねって作ることもできただろうに。Bergmanの回想と夢想として、強調して良かったのに。
Smiles of a Summer Night ★★★★ 夏の夜の夢をベースにしていることは明らか。平和な喜劇。
Wild Strawberries ★★★★ 映画としては良くまとまっている。一般ウケはしただろう。
The Virgin Spring ★★★★ ここでは神は奇跡を見せている。娘の死体の頭の部分から泉が湧いている。この時期はまだBergmanは宗教にポジティブだったのだろうか。
The Seventh Seal ★★★★ 死を人物として登場させたり、面白い趣向を凝らしているけれど、何かいまひとつ真剣さが感じられない。 | | |