パリオペラ座のバレーダンサーのドキュメンタリーを見ていたら、そんな話がでてきた。精神的に成熟してくるころには肉体が衰える、という話。
ダンサーの定年は、女性が40で男性が45、それ以後はもうその若さで年金がでるそうだ。もっともダンス教師などをしていれば、その間は収入があって年金生活にはならないが。
ともかくバレエは肉体が勝負。俳優のように顔がよければ、スタイルがよければというだけではいけない。もちろん俳優は演技力も必要だし、個性も必要だけど。だからバレエダンサーはプリマでもエトワールでも必ずしも顔がいいとは限らない。ル・リッシュのような格好いいダンサーもいるけれど。
同じことは結婚にもいえる。肉体的成熟は16才前後からピークに入る。特に女性は。しかるに精神的にはまったくの子供。25才でもまだ精神的な成熟は途上にある。そんな男女が結婚すれば、間違えることだって多いはず。しかし精神的に成熟した男女が結婚しようとすると、もう女性は妊娠適齢期を過ぎかけていることになる。なんとも不合理な話だ。
僕なんか、この年でようやく精神的成熟の域に近づいてきた実感があるのだけど、肉体的には体力も精力も下り坂。これもなんとも悔しい不合理な話だ。
その結果、中高年者は「今の若いもんは」といつの時代にも苦い顔をすることになる。