昨日の昼前、荷物はホテルにおいたまま、芦屋の調査に出かけた。駅前のホテルから芦屋神社を経由して前山公園に至る自動車道路を経由するルート、帰りは別の細街路をくねりながら戻った。
さて、まず感じたのは、この坂道、なんでこんなにしんどい場所に家を建てるんだ、ということ。日差しがきつかったこともあってTシャツは汗びしょ、息もしんどくなって、途中で3度ほど休憩した。前山公園の展望台まで登ったときは、ああこれであとは下りだけだ、と嬉しくなった。たしかに展望台でなくても眺望はいい。しかし、ここに高級な家が集まったのはそれが理由なのだろうか。それだったら神戸一帯というか、海に面した山の手であればどこでも良かったのではないか。
まず考えたのは買い物が大変だろうな、ということ。行きは手ぶらだし下りだからいいけど、この上り、荷物をもって帰るのは大変だろう。もちろんお手伝いさんが行くにしても、車がほしくなるだろう。家族が買い物の時は当然車なのだろうけど、ちょっと階下のコンビニに、といった利便性はない。そもそも商店は駅前に集中してるから、そこまで行かねばならない。ちなみにバスもあったが、時刻表をみたら3本とも1時間に1本。おそらくはお手伝いさん用なのだろう。
外食するったって住宅ばかりで何もない。これも不便だろう。神戸あたりの高級レストランに行くにしたって車がなけりゃ話にならない。酒飲むなら運転代行か、いや運転手もお抱えでいるだろうから、それは心配ないのだろう。
ともかく地理的に便が良いとはとても思えない場所だった。
肝心の住宅だけど、たしかに坂を登るにつれて大きな家が増えてきた。ちょっといいなと思うのを写真でバシバシ記録した。いちおうお屋敷か邸宅という範疇にはいるのだろうけど、千鳥町にあった平凡社の下中弥三郎が建てた邸宅ほど広いものはなかった。叔父さんが弥三郎さんの長男だったので、時々訪問したけれど、まず門から玄関までゴルフ場(よりは短かったけど)のような道路があった。庭も広くて戦中のパーソナル防空壕があった。子供の探検には格好の場所だった。それはともかく問題は広さだ。やはり日本は土地が高いからだろう、どの邸宅も敷地のほとんどを家屋に充てている。この点、ヴィスコンティの映画なんかに出てくる西洋の貴族の邸宅、庭に森があって乗馬が楽しめるようなものとは規模が違う。まあ上下の格差が小さいのはいいことだとは思うけど。それでもここは日本だから、値段にすると数億円以上のものではあるだろう。ただし建て替えをしたからか、いわゆる和風のお屋敷はほとんど全く見かけなかった。だいたい阪急に並行してその北側を走っている道路から上がそのエリアだった。そこから下になると高級住宅ではあるけど邸宅とは呼べないようなもの、一般の住宅、あとはマンションやアパートが続いていて、要するに阪急やJRの駅の近くは邸宅が多い訳ではないということを確認した。
さて、戻ってから地図と照合すると、お屋敷の固まっていたのは芦屋山手のあたり。その北側は山で、東西と南にはマンションが林立している。そういう構成になっているようだ。もっともマンションも高級そうなものが多かったから、あたり一帯を高級住宅地と呼ぶのは適切だろう。
自宅にもどってコンビニのおやじさんと話をしていたら、この目白のあたりも高級住宅地といわれることが多いけど、それとは違いますか、みたいな話になった。んー、高級住宅地といっても、お金がかかってるか、雰囲気がいいか、色々あるみたい、という話をした。