動物でも、好まれる個体とそうでない個体の区別があるのだろうか。たとえば鮭や鱒、たとえばカマキリ、たとえば馬、たとえばワニ、そして蛙。こうした様々なレベルの種族において、たいていは雄が雌に迫るわけだが、雌における人気の差というものが存在するのだろうか。いわば魅力というその概念、何か対応するものがあるとすれば、それは彼らにおける「感性」の存在ということになり、ひいては人間の「感性」を定義するのにも参考になるような気がするのだが。

まあ大抵は生物学的な属性に関わることなんだろうけど。たとえば彼らの性行動は年齢というか月齢というか、ともかく成長の水準に規定されるのだろう、と思う。それに対応させて考えるなら、人間では初潮があった女性から更年期までが対象となるということか。あるいは動物では特定の年齢範囲だけが目標になるのだろうか。

もっとも関心があるのは「美しさ」という概念に関係するような属性。属性によって規定するのは困難ではあろうが、目鼻立ちの整い具合なんてことが、動物の場合に問題になるのだろうか。たとえば目玉の大きさとか、耳の大きさとかいった物理的に計測可能名属性によってそれは表現できるものだろうか。もちろん視覚だけでなく、嗅覚も関係しているとは思うが。