一次元グラフィックス表現、たとえば評定尺度のようなものにはバイアスはかかりようがない。自由度がないからだ。しかし二次元グラフィックス表現、たとえばリンクとノードからなるグラフ、クラスター分析結果のデンドログラム、デザイナーの工夫したグラフィカルな表現などには、その書き方に自由度があり、結果、バイアスの生じる可能性がある。たとえばグラフであれば、リンクとノードのトポロジカルな関係が同一であったとしても、その描き方によって強調表現が可能だ。デンドログラムはどの枝をどこに置くかによって表現の強調が可能だ。さらにデザイナーの描くグラフィカル表現はもうほんとにどうしようもないくらいの自由度の塊だ。
僕が昔から関心を持っている地図表現のゆがみ。NHKの天気予報や交通情報などの時に使われる地図の類は、実態縮尺図ではなく必ずといっていいほどバイアスをかけたものになっている。交通情報なんかも、見ただけではどこで事故が起きているかわからない。
情報デザインの教育現場では、よりユニークな表現を指導しているようだが、「理解」ということにもっと力点を置いた教育をすべきだと思っている。いつかドカーンと発表する予定でいるけど。