日本建築学会のSelected Architectural Designs 2010を見ていたが、見知った成城駅の成城コルティがでていたので、どう評価されているのか読んでみた。曰く

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連続立体交差事業によって地下化した駅の上部に計画された4階建て36店舗からなる商業施設。利益ばかりを追い求める駅ビルが自らの存在を誇示し,街の中心を占拠する光景がどの街にも広まってしまった。それより「街に風穴を開けよう」一白然・衛・駅・商業を相互に関係づけることによって生まれる都市本来のダイナミズムを呼び戻すこと,光と風と緑に満ちた透き通った空間をつくることが重要であると考えた。施設名称「コルティ(=街の中庭)」はそんなコンセプトからきている。 中心となるプラザは自然光を取入れ,空調を行なわない屋外空間とすることによって,75%もの大幅なCOz削減がなされている。しかしその数値以上に,1日8万人を超える乗降客はじめ多くの方々に,四季を通じエコロジーな空間を体験して頂く機会を提供できたことの意義が大きいように思う。エコロジーとは,暑さ寒さの"我慢''を強いるものではなく,本当の意味での"快適''とはここにあるのだと感じる一人ひとりの意識改革がなされれば,社会全体での高い削減目標の実現も可能となろう。

また

選評・…・佐藤勝久

コンセプトから付けられた「CORTY=街の中庭」という施設名称がぴったりの建築であった。雛壇状に展開する半屋外の吹き抜け空間の両側に商業施設が配置された計画は,今までの駅上箱型商業施設とは異なり,街を行き交う人のための空間が中心となっている。そこはプラザや屋上庭園という自由に利用できる憩いや潤いの場として計画され,細やかなデザインが与えられた「街の中庭」として心地のよい場が創られていた。

 この吹き抜けにはパッシブな環境制御を中心に多くの工夫がなされている。特に線路に沿った風の道を最大限に生かし,夏の暑い日であったが施設内を心地よい風が吹き抜けていた。他にも吹き抜けのガラス波板屋根による日射の制御や上部の熱気抜きなど,快適性を確保しながらの環境配慮がなされている。これにより「街・駅・商業・自然」が相互に関係付けられ,駅ビルの持つている意味を新たにした建築となっている。