贅沢というのは値段ではない。たしかに腕時計の贅沢品は何百万円もするし、車だって何千万円する。ワインだって何十万円もする。

しかし、だ、どんなに贅沢をしている人間でも歯磨きをするだろう。そのときに使うペーストや歯ブラシには、いったいどのような贅沢品を使っているのだろうか。手作りの何十万円もする歯磨きペーストがあるのだろうか、手で植毛をした特別の動物の毛を使った歯ブラシがあるのだろうか。それにはダイヤが埋め込んであったりするのだろうか。

その意味では、生活全体を贅沢色に染め上げるのは大変だけど、部分的にだったら贅沢な人間と同等の暮らしもできるわけだ。