昨日、総研大の会合で人工物発達学の話をした。聴衆は全研究科からきているから圧倒的に理系の人が多い。どこまで通じるか不安だったが、それなりに理解はしてもらえたし、うれしいことには生態学や生物学とのつながりが見えてきた。コメンテータの人から、これは文化進化のご研究ですねと、そして進化生物学や進化生態学との関連性が深いように思いますと、さらにそれらの分野では理論化が中心で実証的な研究が少ないので、是非今後の発展を、ということだった。
さて、理系のそのあたりの分野とのつながりがあったとは意外だったけど、ともかく進化生物学関連の書籍をさっそくワンクリックしておいた。もしかしたら人工物進化学と名前を変えることになるかもしれない。
ところで発達と進化、どうちがうのか。二年前に命名したときには、進化という言葉には「よりよい状態になってゆく」というニュアンスがあるように思っていて、それが発達という言葉を使った理由でもあったのだが、どうもそうではないらしい。進化という概念にそのような意味合いを込める人々もいるらしいが、基本的には変化してゆく動態を意味しているようだ。それにたいして発達という用語は「達する」という文字があるように、目標状態があって、そこに漸近してゆくことを意味しているようにも思える。
このあたり、もう少し考える必要がありそうだ。