なぜ中国があれほど北朝鮮をかばうのか。伝統的に覇権主義の傾向がある国だから、自国の権力が及ぶ範囲を広げておきたいのは分かる。それはアメリカも、かつてのソビエトも、ナチスドイツもどこもかしこも同じこと。
中国には新疆ウイグルやチベットなど5つの自治区があるようだが、できることなら朝鮮自治区という形で北朝鮮を取り込みたいと思っているのではないだろうか。それに対して北朝鮮は、いやまだ自分達の好きなようにやる、と駄々をこねているので、まあまあ、と時機の到来を待っているのではないか。
そんな気がする。あくまでも「気」だけど。しかし、そうなると民族統一は遙か彼方の夢となってしまう。 北朝鮮のトップがいま倒れたら、しかしながら、統一のチャンスと考えるのは難しいだろう。アメリカの後ろ盾で韓国が何らかの形で攻めてゆけば、当然中国はだまっていない。そうなれば公式には終了していない朝鮮戦争が再発しかねない。国内のバランスをかろうじて取っている中国は戦争はしたくないだろうし、アメリカはいささか戦争アレルギーになっている。そのため両国とも戦争は(今は)避けたい。そのため、両国とも北朝鮮に対しては「まあまあ」戦略をとっている。そのことを知っているから大国の力バランスの上で危なっかしいことをやっている北朝鮮。しかしトップが死んだりした時には何かが起きるだろう。その可能性について日本政府がきちんとシナリオ検討をしているようには思えないが、どうなのだろう。