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もじゃりんの日記

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2010年05月16日
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小津と溝口の作品の部分評

カテゴリ:カテゴリ未分類

溝口の「女性の勝利」を見た。★★★

小津の「淑女は何を忘れたか」というピントのぼけたタイトルの映画で桑野通子のモダンガールぶりが気に入ってしまって、準主役で出ている彼女の遺作を求めた。遺作というのは、この作品の最後のカットの撮影を前にして、不倫相手との間で妊娠した結果が子宮外妊娠で、出血多量とかで撮影中に倒れ、そのまま死亡してしまったということだ。その生き様もさることながら、演技もなかなかに魅力的。最後の後ろ姿が役者としての最後を象徴しているようでもあった。ただしVHSはものすごい代物。音はがさがさ、絵はノイズ(カビか)だらけ。まあ貴重な作品。

 

以下は小津

 

長屋紳士録 ★★★ 

まあ悪くはないが印象の薄い映画。捨て子だったと思って面倒をみていたら、はぐれただけで、実父に会えて、彼と帰っていく。それをみて情の移ったおばんが子供を欲しくなる。そんな話。

 

風の中の牝鶏 ★★★★

小津にしてはめずらしく悲惨な映画。まあ最後はハッピーエンドだけど。主人公の女性が子供のために売春をしてしまうという、いわゆる善良なる市民から逸脱し、しかしながら最後に夫との愛を確認するという話。実際に売春までしてしまうというあたりの設定は、いかにも作り話的ではあるけれど、 印象には残る。

 

戸田家の兄妹 ★★★

財閥だったらしい家族が祖父の死によって離散する。まあ僕のうちにも戦後は似たようなことがあったし、祖母の居場所を巡って姉妹の間をたらいまわしにされてしまうこともあったけど、そんなことを思い出しながら見た。

 

父ありき ★★★★

ありき、と過去形になっているから最後は死ぬんだろうな、と思っていたが、やはり。ただ、どうにも父子ものには弱い。しかもストレートに描かれれば描かれるほどしんどい。 






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Last updated  2010年05月16日 11時55分05秒
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